論理と情緒と情熱と。

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就活の面接って、ウソついていいの?

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少し昔の記事ですが、就活において面接官が落とすポイントについて書かれた記事を読みました。
“使えない奴”を足切りする為の面接テクニックについて - シロクマの屑籠
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就活生にとって多くが参考になる内容ですが、その中で今日考えたいポイントはこの部分です。

面接官にウソをついているとバレたら

 対象者の発言の真偽のウラがとれるという場面は、正直あまり多くはない。しかし、幸か不幸か、短時間の面接のなかで馬脚を顕すような嘘をみかけた場合には、非常に有益な情報となる。「面接場面という重大かつ短時間の場面でさえ精度の高い嘘をつけない」というのは、単に不正直というだけでなく、機転に難があるか、軽率な人物であることを暗に示している。“使えない奴”である可能性が高い。

就職活動は多くの人がたくさんの面接を受けることになるでしょう。その中で、答えづらい質問、答えたくない質問というものも出てくるかもしれません。もしそういう質問をされたとしても、毅然として、それまでの態度を崩さずい、今までどおりに答えなければならないということです。
そこで変化が生じたならば面接官はそれを何らかの相図だと捉えるはずです。なぜそういう変化が起きたか、面接官は気になるはずです。手馴れた面接官であれば、それが本意でない答えのサインであると簡単に見破ってしまうのです。
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ウソに関する対処法

下手なウソをついてそれを面接官に見破られて落とされてしまうというのは避けたいものですよね。面接というのは基本は減点方式(このような落とすための面接の場合)なので、他に優秀なポイントがあったとしても落とされかねません。以前、就活生の面接対策がマニュアル化されているんだったら面接官の面接方法もマニュアル化されている - 論理と情緒と情熱と。という記事を書きましたが、面接官の仕事は、項目があってそれに当てはまっているかどうかを採点するだけなので、極めて機械的なのです。

さて、これに対処するために大きく二つの対処法があるだろうということが自然と見えてきます。ひとつは、「ウソを全くつかない」ということ、もうひとつは「完璧なウソをつくこと」です。正直に自分をありのままに語ることができればそれで内定を出す企業とは相性がかなりいいということになるでしょうが、そのようなことが可能なのかという問題もあります。このうちどちらがより望ましい方法となるのでしょうか、考えていきたいと思います。

「ウソを全くつかない」ことは可能か

すべてを正直に答えることは望ましいようにも思えます。自分の全てをさらけ出して、その上で採用してくれる企業に入りたいという思いもなんとなくわかります。が、現実はそんなに甘い世界ではないだろう、というのが僕の実感です。

そもそも、100%好きになる企業というのは存在し得ないはずです。恋人や好きな人を思い浮かべてみるとわかると思います。好きか嫌いかと言われたら好きといえるが、別にそれはその人の全てが好きというわけではないでしょう。とても社交的でコミュニケーション能力が高く、一緒に喋っていて楽しいけれど、ちょっとがさつなところがあって、そこは直してほしいと思いっているとか。顔はすごい好みだけどスタイルがちょっと気になるとか。好きではない部分というのは必ずあるはずです。そしてそれは企業の場合も同じなのです。

面接官というのはそこを巧みについてきます。わざとそういうポイントをつきます。それは人事の側も内定辞退を恐れていて、できるだけ自社が好きな、ロイヤリティの高い人に内定を出したいと思っています。なのでその様なある種「踏み絵」の質問をして自社に対するロイヤリティを図っているのです。「こんなマイナスポイントがあるけれど、あなたは我慢できる?」と。

例えば、「営業がしたい!」という人には、「ほかにも経理や企画や人事とか、いろいろ配属される可能性があるけれど営業に配属されなかったらどうする?」などと聞かれます。その会社に入ること自体がその人にとって大事ならば、自分を押し殺すことが必要になってくるでしょう。そもそも(人気企業であれば特に)そう簡単にいくつも内定を取れるものでもありません。内定を複数とってからが本当の就職活動とも言えますので、そこは自分の思いや志向性と天秤にかけなければなりません。

もちろん、基本的には本心から思っていることを言うべきです。そうしないと言っていることが薄っぺらくなってしまったり、深く突っ込まれた時に答えることができず、簡単にウソだとわかってしまいますし、どちらにしろ良い印象を与えることができません。それに本当の自分の思いや経験を話したほうが自信を持ってしゃべれますし、感情的にも相手に伝わります。

ただ、自分にとってパーフェクトな企業というのがありえない以上、本音だけでは難しいのではないでしょうか。

「ウソを完璧に付けること」

それでは、完璧なウソをつく、ということに関してはどうでしょうか。それは瞬時に自分の内面の感情を抑えて表に出てくる表情や仕草をコントロールする技術です。それはまさに「瞬間」の出来事です。少しでも間を空けてしまえば面接官は気づいてしまうので、「自分がどう見えているか」を高度にコントロールしなければなりません。

さて、そもそもの話ですがウソをつくことは悪いことなのでしょうか。上でも書いているようにバレてしまうようなウソはダメでしょう。そもそもウソとしての意味がないですし、つかれた相手も心象が悪いです。では、バレなかったらいいのでしょうか。

ばれないウソをつくこと、そしてその能力は悪くないだけではなく、むしろ社会人として必要なスキルです。会社で働くということは組織で働くということです。組織の目指す方向と自分が目指す方向が完全に一致していれば問題ないのですが、そんなことばかりでもないでしょう。それに組織で働くといことは、異なる利害関係を有した個人の集合体の中で働くということであり、そうした個人ノッ集合たいと協力して成果を出さなければなりません。メリット・デメリットが異なる人たちをつなげるためにはそういった潤滑油が必要になるのです。

加えて、例えば取引先との交渉だったり、新規契約の獲得だったり、自社を魅力的に見せなければならない時、そこをうまくいってのけなければならないこともあります。そこには少々の誇張が含まれている場合もあるでしょう。そしてそうやって契約をとってノルマを達成しなければならないことも往々にしてあるでしょう。

ウソがバレないようにするために

それでは、そういったウソがバレてしまうようなサインというのはどういうものなのでしょうか。ここではネット上の情報をまとめてみました。

  • 視線の動き

人間の視線は、脳内の思考状況を表すというのだ。
「右上」視線が示すのは
「今まで見たことがない光景を想像している」。
つまり、アリバイを丁寧に準備している場合、我々は右上を向いてしまう。
ちなみに、「過去の経験」を思い出すときは左上を見るらしい。
※これには個人差があるため、数回簡単な問いかけをし、反応を確かめてから詰問する事をお勧めする。
http://otk1.jp/enjoy/1562.html

■アイコンタクトの長さ
 どんな人でも、嘘をつくときは後ろめたいものです。その気持ちが人を“いつもと違う行動”へと走らせます。
 普段と比べて目を合わせる時間が短かったり、逆に不自然に長かったりした場合、その人はウソをついているかもしれません。
 “目線”はウソを見破るためのチェックポイントの一つです。
http://getnews.jp/archives/218820

嘘つきは相手の目を過剰に見ます。もそもそせず、上半身をがっちりと固めます
http://www.kotaku.jp/2013/08/i_see_through_the_lies.html

  • 話し方について

■文脈が乱れる
 イエス・ノーで答えられる質問なのに、イエス・ノーで答えない、といった会話の文脈が乱れることも、ウソをついている人の特徴です。
 たとえば、質問に対して質問で答えるなどといったケースでは、相手がウソをついている可能性があります。

■言動の不一致
 口では肯定的なことを言っているのに、首を横に振っていたり、「浮気なんてするわけないじゃないか!」といいながらも腰が引けていたりといったセリフと体の動きの不一致もウソのサイン。体の動きは思っている以上に心の動きが出てしまいます。
http://getnews.jp/archives/218820

話すスピードが速くなる
「矢継ぎ早に話す」とう表現が正しいかもしれない。
これも、会話を早く終わらせようとする意識の表れだ。
また同様の理由により、返答が短くなる、話に柔軟性や広がりがなくなる、という行動も、ウソを表している。
http://otk1.jp/enjoy/1562.html

●「私」「僕」などの主語をチェック
ウソをつく人は「心理的負担を減らしたい」と無意識に思っている場合が多いそう。「わたし」「ぼく」といった一人称は使わずに「第三者」のような話し方をする人は、ウソをついている場合がほとんどみたい。
●フレーズの重複をチェック
ウソをついている人ほど「このウソを信じてほしい」という気持ちが強いもの。「本当です」「信じてください」とやたらとお願いする人にウソを言っている人が多いという統計も出ているほど。同じフレーズをやたらと強調する人もウソをついている場合が多いそうですよ。
http://woman.mynavi.jp/article/130730-006/

・嘘つきはできごとの詳細を語るのが好きです
・嘘つきは、話題から距離をおくことを好みます。元アメリカ合衆国大統領、ビル・クリントン氏を例に見てみましょう。「私はあの女性とは性的関係を持っておりません」(I did not have sexual relations with that woman.)「あの女性」という距離の置き方と、「~おりません」というフォーマルな表現が、嘘であるということを教えてくれます
・嘘つきは「本当のことを言うと」などの、言っていることの真実味を増すための表現を使います
・質問をされ、不正直な回答をする前にその質問を繰り返すことは、嘘のわかりやすいサインです
http://www.kotaku.jp/2013/08/i_see_through_the_lies.html

  • 仕草について

■腕組み・足組
 腕を組んだり、足を組んだりするのは、拒絶や防御のメッセージ。
 特に腕を組むのは「脅かされている」という感覚が生み出す自己防御の反応なのだそうです。ウソを問い詰めている時に相手がこの反応を示したら、要注意ですね。

■過度なセルフタッチ
 口の動きが見えないように口や鼻を触ったり、視線をずらすために目をこすったりなど、顔のあちこちを触るのも不安の表れです。
 ただ、リラックスしている時に顔を触る人もいます。その場合は、一カ所を触ったまま動かない傾向が強いので注意が必要です。
http://getnews.jp/archives/218820

手や口を無意識に隠す
ヒトは、手や口から「ウソがバレる」と思ってしまい、それらを隠そうとするらしい。
例えば、「手」であれば
手を組む(手首から先を隠す)
ポケットに手を突っ込む
など。
「ウソついてない?」
と指摘された時は
「なに、カッコつけてるだけさ」
と言ってやろう。
ソワソワして、姿勢を頻繁に変える
ウソをついている本人には、詰問をされるシーンは「ストレス」以外の何物でもない。
「この場から早々に立ち去りたい」
という衝動を無意識に抑えるため、外見ではソワソワしているように見えるのだそうだ。
ウソをつくときは、事前の排尿を心がけたい。
http://otk1.jp/enjoy/1562.html

●手の動きをチェック
人は「落ち着き」を失うと、それに合わせて手がよく動くそう。手に持っているペンをやたらとカチカチさせたり、口元に手を当てたり、髪をいじってみたり…。手があちこちに動いたりするとウソをついている可能性が高いみたい。
http://woman.mynavi.jp/article/130730-006/

嘘つきは、嘘について質問をしている人物と自分の間にバリヤーとして物を置くことがあります
http://www.kotaku.jp/2013/08/i_see_through_the_lies.html

・手の動き
「鼻を触る」
嘘をつく時にストレスにより交感神経活動が活発になり鼻の内部組織が膨張されるので鼻がむずむずするのです。そのため、嘘をつく時に無意識に鼻を触ってしまいます。

「口を隠す」
人は会話をする時に、無意識に口元を見ます。そのため、嘘をつく時に無意識に口元を隠そうとするのです。また、いたずらで嘘をつく時にどうしても口元が揺るんでにやけるため咄嗟に手で隠してしまいます。

「手を隠す」
嘘をつく時にはストレスを感じています。ストレスを感じると手に震えがでたり、汗をかいたりしますので無意識に手を押さえたり、手を後ろに隠したり、ポケットに手を入れて隠したりします。

他にも急に質問されて、咄嗟に嘘が浮かばなくて思わず、質問をそのまま繰り返して聞き返したり、何のこと? どうして聞くの? などと逆に相手に詰め寄ったりと急に早口になったり饒舌になったりします。
http://www.excite.co.jp/News/laurier/column/E1353290992686.html?_p=2

  • 声について

●声のトーンをチェック
警察官が「本人確認をします」などと言って「名前」「生年月日」を尋ねるのは、本人確認だけではなくて「通常のトーン」をチェックするという目的があるからなんだとか。ウソの無い声のトーンがどのようなものなのかを確認してから「本当に聞きたい質問」を投げかけるそう。そこで声のトーンが変わっているとウソが即バレ!
http://woman.mynavi.jp/article/130730-006/

以上、どのような点に注意すればいいかがわかってもらえたかと思います。

あくまでこれは落とす方法

 この話は、あくまで“使えない奴”を足切りする為のテクニックであって、“物凄くレアな使える奴”を拾い上げるテクニックではないのであしからず。世の中には、「コミュニケーションが全然出来なくて、空気も読めず、緊張に際してパニックになってしまうけれども、特定領域で天才的な才能を発揮する人物」が極少数だけ混じっているし、そういう天才以外は不要、という業界もあったりする。ここで書いたような足切りテクニックでは、規格外の天才的人物は拾えないので、天才を必要としている業界では、異なるテクニックが面接官に求められる。

最初に紹介したブログの記事からの引用です。この手法とは基本的に減点法で、最低限の質を担保するための方法です。ですが、多くの企業でこのようなマニュアルで採用が行われていることも事実です。ウソをつくことはひとつのテクニックでしかないので、こんなところで足切りされていたらもったいないです。このブログを読んでいる就活生の人は、そんなミスをしないよう、ばれない訓練を積んでほしいと思います。


ウソをつくことに関してもっと知りたい人はこちら