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ESをわかりやすい構成で書くコツ「状況・複雑化・疑問・答え」(考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則)

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今はESで非常に忙しい時期だと思いますが、なかなか自分の文章がわかりやすく、ちゃんとした日本語で書けているのかということは、自分だけで判断しづらいものです。先輩や社会人の人に添削してもらうのが一番な訳ですが、今回はそんな社会人の人も仕事でわかりやすい文書を書くために使っているフレームワークを紹介します。

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

  • 作者: バーバラミント,グロービスマネジメントインスティテュート,Barbara Minto,山崎康司
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 1999/03
  • メディア: 単行本
  • 購入: 76人 クリック: 775回
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入門 考える技術・書く技術

入門 考える技術・書く技術

この本はロジカルシンキングを学べる古典ともいえるべき書籍で、非常に有名でかつしっかりとした名著です。著者はマッキンゼーで女性初のコンサルタントとなったバーバラ・ミントで、この本は多くの戦略コンサルティングファームの研修の教材として使われているそうです。それだけに扱われている例もビジネスの現場そのもので、就活生には少し難しいのですが…(もちろん、戦コンを目指す人には是非とも読んでほしい本です)。

今回はこの本で紹介されている「状況・複雑化・疑問・答え」と言うフレームワークを使って、わかりやすいESの書き方を紹介します。

読み手はごく自然に関係性を想定しながら読んでしまう

人間は何か複数の言葉を聞いたり情報に触れたときに、それを自分が理解し安井の関係性に意味付けをします。例えば、次の二つの文を見てください。

  • 僕は浮気をした。
  • 僕は彼女にふられた。

これを見たときにあなたはおそらく頭の中でこんなことが浮かんだでしょう。「きっと『僕』は浮気したことが彼女にばれて、それに彼女が怒ってフラれたんだろう」と。しかし、その言った関係性は、実はこの二つの文からは断定することはできません。浮気をしたことは事実だけれど、それは実はばれていなくて、他のことが原因でフラれたかもしれないし、彼女にふられてから別の女の子とつき合って、その子にフラれたのかもしれない。

したがって、僕たちは無意識のうちに関係性を無意識のうちに推測して情報を捉えてしまっているのです。なのでこの想定に沿って文章を書ければ、読み手はストレスなく理解することができるのですが、それに反した順序で書いてしまうと、文章を何度も読み直したりして、非常に面倒くさいことになってしまうのです。

「状況・複雑化・疑問・答え」はわかりやすい文章構成

そこで、その自然な文章構造を知りたくなるわけですが、それがタイトルにも書いた、「状況・複雑化・疑問・答え」というフレームワークです。このフレームワークは文章が伝えたいこと、主題をよりわかりやすく確実に相手に伝えるためのものです。最初に例を挙げます。

  • 主題:社員のモチベーションを挙げるために、あの記事に示された心理学を応用すべきだ
  • 状況:社員に特定の行動をとってもらいたい
  • 複雑化:モチベーションの心理学を応用する必要がある
  • 疑問:どうすればいいのか?
  • 答え:あの記事に示された考えを適用すべきだ

「社員のモチベーションを挙げるために、あの記事に示された心理学を応用すべきだ」という主張をしたいときに、そこにある「状況」とはどのようなものなのでしょうか。その状況が述べられていなければ読み手は何のことを言っているのかわからなくなってしまいます。「状況」とは主題に関して確認されている事実なのです。それが、今回は「社員に特定の行動をとってもらいたい」という「状況」なのです。

「複雑化」は理解しにくい概念ですが、ある状況に対して緊張状態を発生させ、疑問の引き金となるものです。厳密には違いますが、多くの場合、「問題」と同義に捉えてもらってもかまいません。言い換えれば、疑問と状況の橋渡しをするようなものです。まず「状況」の中で既知の事実などを伝えた後に、それを用いて「複雑化」へと物語を展開させることで次に何が起こったかを伝えます。そして、それが読み手の疑問へと発展するのです。

「疑問」は単純に読み手が読んでいて疑問に思ったことです。それは論理的な関係性からの疑問だったりするわけですが、このような「疑問」を記述することで読み手に緊張感を与えて集中力を持続させてくれます。

そして最後にその「疑問」に「答え」を提示して読み手を納得させるのです。文章が大掛かりのものであればこれからまた次の疑問が生じ、別の「状況・複雑化・疑問・答え」構造を形成していくことになるのです。

「読む」ということは集中力を要求される負荷のかかる作業ですが、このようなフレームワークに従うと、読み手は比較的楽に集中力を持続させることができるのです。

フレームワークを用いて文章を書くには

さて、このフレームワークをESにどうやって活かしたら良いのでしょうか。「考える技術・書く技術」ではこのフレームワークを使って文章を各方法としてトップダウン型アプローチとボトムアップ型アプローチの二つの方法を紹介していますが、今回は前者のトップダウン型アプローチに則って考えてみたいと思います。ボトムアップ型アプローチについては、実際に本を手に取ってみてください、ということで笑

  1. まず、あなたが伝えたいメッセージを思い浮かべてください。文章全体を通して伝えたいメッセージです。わからない場合は次のステップアから始めてもらってかまいません。
  2. 次に「疑問」を書いてください。そもそも読み手は誰で、この文章が完成したときにどんな疑問を持つのかを思い浮かべてください。疑問がはっきりしていなければステップ4に進んでください。
  3. 疑問に対する「答え」を書いてください。
  4. 「状況」を明確にしてください。状況とは事実であり、疑いようのないことです。読み手にとって明確なことを主題に沿って記述してください
  5. 次に「複雑化」へと発展させるのですが、このときに有効なのは読み手になったつもりでQ&A方式で「状況」に対して「それはわかった。だからどうしたの?」とツッコミを入れてみるのです。そこで疑問が生じるはずですから、その疑問の根拠になるもの、根源になるものを探します。さて、「疑問」の引き金となった「状況」の変化とはなんだったのでしょうか。そこで見つかったものが「複雑化」で記すべきことです。
  6. ここで、最初に設定した「疑問」と「複雑化」で考えた疑問が同じものであるかをチェックしてみてください。同じならばOKですが、違っていたら、一致するように「複雑化」の表現を書き直してみてください。

ESへの応用

さて、これをESに応用するわけですが、14卒就活生に課された三菱商事のESのとある設問を利用します。

設問:「あなたが『信頼』・『信用』を得た、もしくは失ったエピソードを教えてください。」

上の順序に沿って考えると…

  1. まず、自分が1番この設問で伝えたいことってなんなんだろうって考えてみる。うーん、なんかよくわからないので次のステップにいくぞ。
  2. ここの疑問も、ケースバイケースになので、ここではスキップ。
  3. さてここでは読み手に言うべき「答え」を考える。ESの設問になっているんだから、ここでは「答え」=設問に対する答え、なはず。だけれど、純粋に採用担当が信頼・信用を得たまたは失ってエピソードそれ自体を知りたいとは考えづらい。どうせ学生のちんけなエピソードなんて読み飽きてるだろうから。そんなストーリーじゃなくて、採用担当が知りたいのはそのウラにある就活生の人間性。要は「君は本当に信頼されるような人間なの?」てこと。考え見れば商社マンってのは究極の営業マンで、仕事柄、人から信頼されるのはそりゃ必須なわけです。だから「答え」としては「私は信頼される人間(だから)です」となる。
  4. 「状況」の説明。ここで、エピソードを書く。なぜ「私」が信頼される人間であるのか。ここで大事なのは、客観的な事実のみを書くこと。価値判断や評価はいらなくて、まず事実を書くこと。
  5. 「複雑化」について書く。たとえば「状況」でシンプルに「私は100人を超えるサークルのリーダーをやってます」とか書くんだったら、「だからどうしたの?(=So what?)」と自問自答してみる。たとえば「1年前は20人程度のサークルでした」としてみる。
  6. ここで、疑問に返ってくる。読み手としては、1年間でなぜサークルの人数が5倍になったのか気になる気になる。なのでここで生じるはずの疑問は「なぜサークルの人数が1年間で5倍にもなったのか」ということ。そしてその答えは「私が信頼されている人間で、リーダーとして多くの人を惹き付けたから」というのは、(論理が飛躍しているのだが)妥当性のある答えに感じる。しかし、ここで「どのように人を惹き付けたのか」という疑問がわいてくる。この疑問に対しても今と同じようなフレームワークで答えればいい。

まとめると、

  • 主題:私は信頼されるに値する人間です
  • 状況:「私は100人を超えるサークルのリーダーをやってます」
  • 複雑化:「1年前は20人程度のサークルでした」
  • 疑問:なぜサークルの人数が1年間で5倍にもなったのか
  • 答え:私が信頼されている人間で、リーダーとして多くの人を惹き付けたから

ここで、プラスして「どのように人を惹き付けたか」ということを具体的に詳しく書ければいいってことです。むしろそこがオリジナリティになるとも言えるのですが。

大事なのは、この構造を全て満たすような内容を欠けているかということです。順番的にもこの順序で書くのがいいでしょう。なぜなら、上でも書いたように、この順番こそが、人間が自然に理解できる順番だからです。採用担当というのは何千枚というESを読まなければならず、読みにくい・理解しにくい文章と言うのはそれだけで読んでいて嫌になってしまいます。なので、できるだけわかりやすい構造で書くことを心がけてください。

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