論理と情緒と情熱と。

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ユニリーバ・ジャパンのESを解説してみる

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業界2番手、ユニリーバです。この企業(の日本支社)は、P&Gに比べて日系の色が強い印象です。ウェットな雰囲気も多分に含んでいるっていう感じ。



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AXEってユニリーバのブランドだってんですね。知らなかった。
昔使ってましたねー。

ユニリーバ14卒ES

  • 在学中の主な勉強・研究内容のテーマを専門外の人にも分かるように説明して下さい。

●150文字以内●  ※

  • ユニリーバ・ジャパンを志望する動機・理由は何ですか?250字以内
  • より高い目標に向かってあなたが率先して他の人を巻き込み、チームで目標を達成した経験について述べてください。

●400文字以内●  ※

  • 相手のニーズを理解し、それに応えるためにおこした具体的な行動を述べてください。そのとき、何故そのニーズに応える必要があったのかも述べてください。

●400文字以内●  ※

  • これまでに直面した困難かつ他の人からのサポートが必要な問題に対し、どのように考えて対処したのか、具体的な経験を述べてください。

また、その結果についてもお書き下さい。結果の成否は問いません。
●400文字以内●  ※

また、これとは別にマーケティング職種志望者には「アイディアシート」という課題が設定されていました。

【設問】
ベン&ジェリーズ http://www.benjerry.jp/ は、アイスクリームを通じて、楽しい方法で少しでも世の中を 良くすることをミッションとしているブランドです。 ベン&ジェリーズのお店を新規開店することをあなたが任されたとしたら、あなたは開店を告知し、集客するに あたりどのようなプランを実行しますか?A4の紙1枚で提案してください。 尚、値引きやアイスクリームの無料提供などの金銭的な要素は含まないプランを提案してください(試食は可)。


基本的には、P&GのES解説で書いたことと一緒なのですが、やはり外資メーカーではチームで成果を出せる資質をアピールするのが一番なんじゃないかなあと思うのです。もちろん個人の処理能力が高いということを前提とした上で。

在学中の主な勉強・研究内容のテーマを専門外の人にも分かるように説明して下さい。

専門的なものであるほどわかりやすく説明するのが難しかったりするので、目安として、小学生でも理解できるくらいのレベルまで落とし込めればいいんじゃないかなって思います。人に見てもらう必要アリアリな設問ですね。

ユニリーバ・ジャパンを志望する動機・理由は何ですか?

説明不要なくらい超オーソドックス。こちらを参考にしてもらえればと思います。

面接ES全てにつながる本質的な志望動機の考え方 - 論理と情緒と情熱と。
志望理由で「成長したい」と言う就活生がいたら迷わず落とします - 論理と情緒と情熱と。

より高い目標に向かってあなたが率先して他の人を巻き込み、チームで目標を達成した経験について述べてください。

やはり「チーム」ですね。P&Gのこの設問と基本的には一緒。

あなたがグループの中でリーダシップをとって、方向性を示し、グループメンバーから協力を得て優れた結果を出した経験について説明してください。(全角半角問わず500字から700字程度)
P&GのES解説から考える外資メーカー採用の条件 - 論理と情緒と情熱と。

自分が人を巻き込めるほどの人格や人望を備え、人を説得するスキルを持ち、周囲のモチベーションをコントロールし、ビジョンを示してそれに対して強烈に皆を引っ張れましたか、って言うところがポイント。

相手のニーズを理解し、それに応えるためにおこした具体的な行動を述べてください。そのとき、何故そのニーズに応える必要があったのかも述べてください。

外資メーカーと言えばマーケターが花形ですが、これはマーケティングっぽいテーマですね、「ニーズ」って言う単語を使っているあたり。笑
表面的なニーズでなく本質的な利益に目を向けることができるか、行動の必要性を感じたときに実際に実行できるか、ということが見られています。

これまでに直面した困難かつ他の人からのサポートが必要な問題に対し、どのように考えて対処したのか、具体的な経験を述べてください。また、その結果についてもお書き下さい。結果の成否は問いません。

「結果の成否は問いません」って書いてますけど、そりゃ成功した方がいいにきまってるじゃん。笑
これもやっぱり「チーム」にフォーカスしてますよね。「どうやってサポートを得たのか」が肝です。そしてそれが、別の困難であっても同じようにサポートを受けられるような再現性が大事。


詳しい自己PRの書き方については以前記事書いたので参考まで。

面接やES全てにつながる本質的な自己PRの考え方前編:面接官の意図 - 論理と情緒と情熱と。
面接やES全てにつながる本質的な自己PRの考え方後編:ー効果的な自己PRの構造ー - 論理と情緒と情熱と。

アイディアシート

ビジネスケースっぽいお題ですが、マーケタートしての考え方の素質があるかということを見たいのでしょう。金銭的な要素を含むなという指示は、価格戦略を用いるなという意味で、コストパフォーマンスなどの施策の効率性という概念はきちんと考慮しなければならないでしょう。

一応、回答例を載せます。
載せておいて言うのもなんですが、もう少し定量的かつファクトベースで書けると良いですね。笑

ベン&ジェリーズの日本での新店舗開店におけるプロモーション及び集客を考察する。まず日本のアイスクリーム業界の現状を見た上で、その中でのポジションを確認し、戦略を考えたい。ここではあくまで新規出店を考えるため、他の小売店を通しての別チャネルでの販売は除くこととする。
まず業界について、日本アイスクリーム協会によると2011年度のアイスクリームの市場規模は1134億円である。また、前年度比成長率は2.3%である。ベン&ジェリーズの成長性についてだが、2012年12月1日に日本2号店をオープンしたことを考えると、成長性は高く、業界平均と比べ良好であるといえる。これはまだ規模が小さいことを考慮する必要があるが、従来の方針をベースにして考えて良いであろう。
顧客についてだが、購買層は10代を除くと、年齢が上がるにつれて全体に占める購買割合が上昇しており、加えて高価格のプレミアムアイスクリームではこの傾向がより顕著になると考えられる。
次に業界の中でのポジションについてだが、まだ二号店を出店したばかりであり日本でのシェアは低い。知名度も低くブランドの確立もまだ不安定といえる。2011年度のアイスクリーム市場のシェアは1位のハーゲンダッツの独壇場であり、独占状態となっている。したがって、いかにブランドを広めるかが課題だ。
さて、ここで当該店舗の概要すなわち立地と開店時期を考える必要がある。立地は首都圏のオフィス街を想定。理由は後述される節電対策の面を考慮してのことである。時期は暑さで需要が高まる7月とする。
以上を踏まえたうえで集客戦略を考える。想定ターゲットは30代から40代のオフィス勤務者とする。これは既に記した購買層、製品の価格帯、立地による。
一般に、人が購買行動を起こすときには、まずその存在を知り、興味を持ち、そして実際に購入するというプロセスを踏む。ベン&ジェリーズは1号店が成功しているとは言え、まだ認知度は低いと考えられるので、高価格帯アイスクリームにふさわしいハイブランドなイメージが伴ったブランディングが求められる。いかに高級で、贅沢な満足感を演出・創出出来るかが鍵となる。
次に、製品についての興味を喚起するのだが、製品自体の魅力とそれに付随する魅力に分けて考える。前者については、プレミアムであるがゆえの濃厚なミルク感、多種多様なフレーバー、そしてなにより大きなチャンクが演出する食感がポイントである。後者については、ベン&ジェリーズがCSRを重視する企業であるので、購買行動によって社会貢献できる仕組みを可視化したい。
最後に実際に購買行動に移る際の障壁だが、これには大きく価格とチャネルが考えられる。前者については今回は不問、後者については、新規出店ということなので、できるだけ潜在利用人口が多い場所に出店することで対応したい。
以上のことから以下のプランを提案する。まず、開店の宣伝として、ソーシャルメディア(FacebookやLINE)を用いたプロモーションをする。特にこれらはチェックインしてもらうことで波及効果が狙える。次に出店時期である夏季に、アイスを食べて涼んでもらうキャンペーンを行い、有名人に対して(試食程度で)無料で配布することだ。昨今の電力供給問題に絡め、需要が逼迫する夏季に行うことで、当社のCSR重視の姿勢を見せることができる。ユニリーバがスポンサーを務めるイベントの出演者などがターゲットになるだろう。ターゲットの有名人は、想定購買層である30-40代の支持を集めているということとソーシャルメディアを活発に利用しているという条件に叶う者が良い。前者は自明として、後者は、彼ら彼女らが自身のメディアを利用して紹介することで、ある種の口コミ効果を狙う。そして、この話題性を利用してパブリシティ、すなわち新聞社や雑誌などに取材して貰えれば、大きな宣伝効果が期待できる。

ユニリーバの企業研究に。

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