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論理と情緒と情熱と。

就活とかキャリアに関すること多め。「考えたこと」特に、キャリアに関するエントリーを中心に掲載してます。

三井物産のES解説から考える総合商社に採用される人材

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総合商社のエリート2強、三井物産です。この会社はよく「人が良い」と就活生の間で評判になりますが、それはそういう面接手法を採っているだけなので、他の商社にも「良い人」はいっぱいいます。面接官の反応が良いいからといってそれは面接の出来がいいということには必ずしもつながらないんですね。

三菱商事と三井物産はよく総合商社の中でもエリート色が強いと言われますが、中でもこの2つは「組織の三菱」「人の物産」とよくいわれます。三菱商事の場合は組織体制がしっかりしていて、物産は個人プレーが多いということです。しかし、どちらも体育会的組織であることには変わりなく、上下関係が非常に厳しい会社です。三井物産は社風として「個」というものを大切にするので、それもふまえた上で面接やESの準備をすると良いでしょう。あえて言うならば、総合商社の中で1番ベンチャーっぽい会社と言えるでしょうか。

総合商社は多岐にわたってビジネスを展開しているので、中の社員でも自分の事業部以外のことはほとんどわからないといいます。それは就活生からしてみたら当然わかりづらいものです。そんな状態で選考に望んでしまっては、結果は火を見るよりも明らかなので、総合商社というビジネスモデルを理解する手助けとなる本を紹介します。

現代総合商社論―三菱商事・ビジネスの創造と革新

現代総合商社論―三菱商事・ビジネスの創造と革新

新・現代総合商社論: 三菱商事・ビジネスの創造と革新[2]

新・現代総合商社論: 三菱商事・ビジネスの創造と革新[2]

三菱商事で実際に働いている人が総合商社のビジネスについて大学で講義したものをまとめたものです。学生向けに書かれているので難解だということはなく、章末には学生とのQ&Aもあって面白く読めます。就活においては企業分析、すなわちその企業が何をやっているかを把握することができないとスタートラインに立てないも同然なので、総合商社の企業分析に戸惑っている人は、手に取ってみてはいかがでしょうか。もちろん三菱商事以外の商社にも当てはまりますよ。

さて、こういうエントリーシートでは設問の意図を把握して、いかにそれに沿った答えを書けるか、ということが大事。でも就活生の立場だとそういう意図ってあんまりわからなかったりするので、その辺を解説しますよ。

一般的なESの書き方はこちら
【学歴別】ES(エントリーシート)の考え方 - 論理と情緒と情熱と。
ESをわかりやすい構成で書くコツ「状況・複雑化・疑問・答え」(考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則) - 論理と情緒と就活と。

三井物産14卒ES

  • ◆1.あなたが決断を迫られた最大の場面はどのような時でしたか。また、そのとき、あなたはどのように考え、行動して決断したか、記述して下さい。 (400文字以内)
  • ◆2.あなたの過去の経験の中で、新しい発想、経験、機会や物事の仕方を探究して地域や組織、人びとに変化・変革を起こした事例を記述して下さい。(400文字以内)
  • ◆3.あなたが目標に対してリーダーシップを強く発揮し、主体的に周囲の人と共に成果をあげた事例を記述して下さい。(400文字以内)
  • ◆4.あなたが自分と異なる価値観を持った人たちと協働して目標を達成した経験について記述して下さい。(400文字以内)
  • ◆三井物産を志望した理由についてお書きください。(200文字以内)

1つ目の設問

  • ◆1.あなたが決断を迫られた最大の場面はどのような時でしたか。また、そのとき、あなたはどのように考え、行動して決断したか、記述して下さい。 (400文字以内)

これは就活生の価値観や考え、人となりを問う設問です。人間の行動や決断には必ずその人のバックグラウンドから生まれる価値観が反映されるもので、そこを採用担当は見たいのです。そして、そういった価値観が三井物産のカルチャーとマッチしているかということを確認したいのです。

人間というのは決断するときに、自信の成熟度合いというものが反映されます。例えば、小学校でAくんのことをBくんがいじめようとしている、そのときに見て見ぬ振りをするのか、加担するのか、それとも止めに行くかでは、推測される人となりというのは変わってくるでしょう。また、自分が内定を2つもらって決めかねている。片方は待遇も良くキャリアの可能性も見込めて、ワークライフバランスも良いが地元を離れて全国転勤の可能性がある。もう片方は地元に残って働けるが待遇もキャリアの可能性もあまり見込めない。配属される部署によっては激務の可能性もある。このとき、つき合って1年になる大学の後輩の彼女がいた。そのときに、地元で就職することを選ぶことが本当に良いのだろうか?

さて、三井物産はどういう価値観の人間を求めるのでしょうか。もちろん、絵に描いたようなスーパー大学生みたいな、謙虚でしかし自分に自信を持っている成熟した人間であるに越したことはないでしょう。実際、総合商社に内定して行くのはそのような学生たちです。自分中心の価値観ではなく、周囲や他社、社会に対して貢献したいという利他精神を持ち合わせている人。努力家で、自分の仕事に責任を持ち、最後前やり遂げられる人が良いでしょう。

こういったものというのはその人の人生を書けて形成された「コア」とも言うべきものです。それがなんなのか、採用担当は知りたいのです。

コアを見つける自己分析のやり方についてはこんな記事を書きました。

自己分析のやり方がわからない人へ。最小限の努力で最大限の自己分析の方法その1:自己分析が必要な理由とそのゴール - 論理と情緒と就活と。
自己分析のやり方がわからない人へ。最小限の努力で最大限の自己分析の方法その2:自己分析のハウツー - 論理と情緒と就活と。

2つ目の設問

  • ◆2.あなたの過去の経験の中で、新しい発想、経験、機会や物事の仕方を探究して地域や組織、人びとに変化・変革を起こした事例を記述して下さい。(400文字以内)

この設問では、明らかに「あなたが周囲に働きかけて、そこにうねりを起こし、変化を創り出せるか」ということが見られています。では、なぜこのような人材を求めるのでしょうか。こういう人材というのはどんな人材なのでしょうか。

三菱商事の設問を考えるときに、こんなことを書きました。

採用担当が知りたいのはそのウラにある就活生の人間性。要は「君は本当に信頼されるような人間なの?」てこと。考え見れば商社マンってのは究極の営業マンで、仕事柄、人から信頼されるのはそりゃ必須なわけです。だから「答え」としては「私は信頼される人間(だから)です」となる。

僕の考えはここにつまっています。これは「あなたが『信頼』・『信用』を得た、もしくは失ったエピソードを教えてください。」という設問を考えたときのものです。

商社マンというのは人に信頼されなければ始まりません。人に信頼されてこそ周囲を動かすことができるし、チームのリーダーとして物事を推進して行くことができるのです。

したがってこの設問では、自分が信頼される人間であること、それだけの人望があるということを示して伝えることが大事なのです。

そしてその過程の中で、「問題解決」のプロセスを経験し実行した人間なのか、ということを見られています。ビジネスで取り組まなければならない課題というのはすべて「問題解決」の手法によって、成果を上げることができるからです。

問題解決プロセスに則った自己PRの書き方はこちら。

面接やES全てにつながる本質的な自己PRの考え方前編:面接官の意図 - 論理と情緒と情熱と。
面接やES全てにつながる本質的な自己PRの考え方後編:ー効果的な自己PRの構造ー - 論理と情緒と情熱と。

3つ目の設問

  • ◆3.あなたが目標に対してリーダーシップを強く発揮し、主体的に周囲の人と共に成果をあげた事例を記述して下さい。(400文字以内)

この設問も、知りたいことは2つ目の設問と一緒ですね。どちらかというと2つ目は「問題解決」にフォーカスを当てて、3つ目は「信頼」「人望」にフォーカスを当てているという感じでしょうか。基本的には2つ目の設問を参考にしてもらえればと思います。

4つ目の設問

  • ◆4.あなたが自分と異なる価値観を持った人たちと協働して目標を達成した経験について記述して下さい。(400文字以内)

この手の設問は海外進出進める企業だったり、日本にとどまらず世界中でビジネスをしている企業であれば是非設けたるような質問で、総合商社も例外ではありません。総合商社の内定者に留学経験者が多いのは、企業のグローバル進行度合いを如実に表していると言えます。

ここでのポイントは、「自分とは異質な人々と対峙したときにその違いを乗り越えることができるのか」ということを表現できるかということです。なので、「自分と異なる価値観を持った人たち」とはどのような人たちで、その差異は具体的に「どういう問題」が生じて、その「問題」を「どのように乗り越えたか」、という要素はもれなく含むべきです。

また、どの程度のことを「異質」と感じるのかという、人間としての懐の深さも見られています。

これも系統としては「濁世時代がんばったこと」「自己PR」と同種の設問ですね。

5つ目の設問

  • ◆三井物産を志望した理由についてお書きください。(200文字以内)

見ての通りシンプルな志望動機です。理由づけは人それぞれですが、総合商社の場合は、競合他社間でビジネスモデルは基本的には変わらないので、結局最後は志望動機は「人」に落ち着かざる得ないのかなあという印象を抱いています。

詳しい志望動機の書き方についてはこちら

面接ES全てにつながる本質的な志望動機の考え方 - 論理と情緒と情熱と。
志望理由で「成長したい」と言う就活生がいたら迷わず落とします - 論理と情緒と情熱と。

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