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Amazon JapanのESを解説してみる

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アマゾンって新卒採用してたんですね。非常に将来有望な会社なので、今自分が就活してたら絶対受けてたなあ。働いてみたい。過去(2013)のESを見つけたのでそのESを解説してみようかなーと思います。


一般的なESの書き方はこちら


アマゾンジャパン エントリーシート設問

  • これまでにとても頑張ったけれども、うまくいかなかったことと、そこから学んだことについてご記入ください。
  • これまでに”やらなければならない”という状況下において努力したことと、その成果についてご記入ください。
  • あなたのアイディアについてお聞かせください。 <2023年、あなたはアマゾンの商品とサービスを統括している責任者です。今回、あなたは新しい商品とサービスをアマゾンで始めることにしました。あなたは何を始めますか?>

1つ目「これまでにとても頑張ったけれども、うまくいかなかったことと、そこから学んだことについてご記入ください。」

典型的な「失敗」を聞くものですね。アクセンチュアのものと酷似。

アクセンチュアのESの一部

  • あなたが過去にチャレンジしたことの中で直面した最大の困難は何ですか

また、それに対してあなたが何を考え、どう対処したか、
その経験が今どのように活かされているかについて記述してください

基本的には自己PRで、それを「失敗」のエピソードを絡めて話してね、っていう設問。アクセンチュアのES解説エントリで言い切ってしまった感あるのでそれを引用。

これも要は自己PRだよねえ。「学生時代がんばったこと」。設問にも書いてあるけど、ただ失敗したことを書くんじゃなくて、全力でぶつかって努力してそれでも失敗した経験じゃないと意味ない。運悪かったから失敗しました、はいらない。


全力で努力して、失敗してしまって、もし次同じことに取り組むんだったら、今回の失敗の原因はこれとこれで、だから次はこうすればよくて、そのために今こうやって努力してる、みたいな。この失敗があったからこそ、今の自分があって、それはこう言う変化だったんですよ。


っていうストーリーを少なくとも読み手は期待していると思って書けばいいんじゃないですかね。そこも、上で書いたような「タフネス」「上昇志向」をアピールできるようなエピソードだと良い。


あ、ちなみに、こういう質問って実は「頭の良さ」みたいなのも計れちゃうんですよね。どの程度の困難のエピソードを書けば、アクセンチュアの人間に響くか、っていうことがわかるくらいの頭の良さが。逆に言えばそれくらい高い視点にいる人材がほしいわけで。「どの程度のことを困難だと思うか」っていうことがわかることで、その人のキャパシティや成熟さってのがわかっちゃうんですよね。


ちなみに、一般的な自己PRの考え方はこちら

2つ目「これまでに”やらなければならない”という状況下において努力したことと、その成果についてご記入ください。」

これすごい良い設問だと思う。どういう意味かって言うと、「大企業で働く」っていうことを考えたときにめちゃくちゃ大事な観点なのに、それをESで問うてる企業がすごい少ないから、問いう点で。面接では求められるんだけど、それって顕在化しないしね。

じゃあそれは何かっていうと、「働くということは、しなければならないことをやることだ」ということ。自己分析で「将来やりたいことを考えましょう」とか言われて、「○○がやりたいんです!」とかなるのも良いんだけど、それでも企業は「やりたいことしかやりたくない人間は求めてませんよ」っていうことが真実なんだよね。

なんで企業は人材を採用するかっていったら、現在もしくは将来やらなければならない仕事があって、それをこなす人が絶対必要。だからやってくれる人探さなきゃ、ってそんな感じでしょ?
仕事は既に存在しているわけで、仕事ありきでそれに合った人を採用している。
それに、大企業になればなるほど、人はたくさんいるワケで、誰がどの仕事をやるかなんてのは確率の世界になってしまう。そんなときに、「私はこの部門の○○がしたくて入社したんです!」って頑固に聞かない人がいたら、マネジメントが困るでしょ。

なので企業としては「やらなければならない仕事」に対してどう振る舞ってきたかを見ることによって、組織での働き方の適性を見れる。非常に良い設問なんだよね。自分がやりたいことしかやりたくないって人はベンチャーとか起業すれば良いと思う。そういう選択肢は全く否定しないけどね。

ただ、エンジニアとかデザイナーとかクリエイティビティを求められる職種(かつITという変化の激しい業界)では変化に柔軟に対応していくことも必要で、「遊び」ってのは大事になってくる。Googleのエンジニアも10%だか20%の業務は自分の好きなことやっていいらしいし。

日本の重厚長大な大企業に入りたいんだったら、そういう「ソルジャー」気質は、少なくとも選考では見せていかないと落とされちゃうよね。

※じゃあ自己分析で将来のビジョンを考えるのは無意味かというとそうではなくて、あくまでも将来のビジョンを語るのは、自分が成熟している人間だと示すためなんだよね。

3つ目「あなたのアイディアについてお聞かせください。 <2023年、あなたはアマゾンの商品とサービスを統括している責任者です。今回、あなたは新しい商品とサービスをアマゾンで始めることにしました。あなたは何を始めますか?>」

でた面倒くさいやつ笑

この設問の意図は、ちゃんとうちの業界のことをわかってますか?ということで、ようは「ウチの会社に本当に入りたいと思ってるんだったら、業界のことくらい知ってるよね?ウチの企業のことも知ってるよね?じゃあ教えてよ」っていうロイヤリティを試す設問と言えます。

アマゾンは最近たしか、今後AWS(Amazon Web Service)がアマゾンの一番の収入源になるだろうと予測していて、収益性の低いリテールビジネスから新たなフィールドへと展望を持っています。インフラ握っちゃったら強いですからねえ。そういう意味で、新たなウェブのプラットフォーマーとなるであろうアマゾンの将来性は半端ないと思う。



それにしてもアマゾンってすごい会社になったよね。