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面接ES全てにつながる本質的な志望動機の考え方

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エントリーシートでも面接でも必ずと言っていいほど聞かれるのが志望動機と学生時代に頑張ったこと。これはなかなか考えることが厄介な質問ではありますが、一度深いところまで考えて完成させてしまえば、使い回しがきくものでもあります。


しかも、これはあらかじめ聞かれることがわかっている、つまり準備できるもの。大学受験で言えば、センター試験の英語の1問目は発音とアクセントが出て、最後の問題は長文だ、と出題内容がわかっているのと一緒のようなものなのです。受験生はそれにそってセンター試験対策をしますよね。
むしろ準備しなきゃいけない量としてはこちらの方が少ないくらいです。

今回は志望動機と学生時代に頑張ったことのうち、志望動機の方に絞って考え方を解説していきます。学生時代に頑張ったこと、についてはまた次の機会に。

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志望動機の書き方

さて、志望動機を聞かれたときに答えなければいけないことって、何でしょう?言い換えると、面接官が期待しているのはどのような答えなのでしょうか?

志望動機に必要とされる要素は、(字数にもよりますが)だいたい以下の通りです。

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「なぜその業界を志望するのか」「その中でなぜ自社を志望するのか」はマストですが、「他の業界ではダメなのか」「なぜ他社ではダメなのか」は字数に多ければ使う、といった感じでしょうか。

つまり優先度が、
「なぜその業界を志望するのか」「その中でなぜ自社を志望するのか」>>>「他の業界ではダメなのか」「なぜ他社ではダメなのか」
となるわけですね。

それでは、それぞれの項目についてみていきます。

「なぜその業界を志望するのか」

就活というのは基本的にマッチングですから、あなたと企業がマッチしてますよということが言えればいいわけです。つまり、
自分=企業
これが成り立つよ、って示してあげるということです。この要素を含んだ志望動機を述べるには、「自分とは何か」「企業とは何か」「なぜイコールが成立するのか」ということをわかっていなければなりません。では、これらを述べることができるためには何がわかればいいかというのはこのように表せます。

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これを基にした業界の志望動機の一例です。

経営に携わりながら経営者がより良い成果を出すためにそのサポートをしたく、経営コンサルティングの業界を志望しております(➡自分はどういう志向性・価値観を持っているのか)。
私の父が中小企業の経営をしており幼い頃からそのやりがいを私に話してくれ興味を持ちました。その一方で、一時期会社が倒産しかけたことがあり、その時父が、苦悩の中にありながらも経営者としての責任から必死に立ち向かっている姿が脳裏に焼き付いています。あんなに会社のことを楽しそうに語っていた父の苦しそうな姿を見るのは非常につらいものがありました(その志向性・価値観を持つにいたった原体験)。
経営コンサルティング業界では経営者やマネジメント層の課題解決のサポートに取り組んでおり(どんな事業を通して社会に価値を与えているのか)、私の父と同様に、困難にある経営者の手助けができると考えています(企業は社会にどういう価値を与えているのか)。

これは人によっては、「深く考えていてすごい」と思うかもしれません。でも実際、就活においてはこのレベルの志望動機が最低限必要なのです。企業によってはこれ以上深く掘ってくるところも少なくありません。

志望動機を考えるにおいては「その志向性・価値観を持つにいたった原体験」を考えることが非常に重要になってきます。
なぜでしょうか?
それは、「自分は本当にこの業界を志望している」ということを示さなければならないからです。就活生にとっては、企業の面接を通ることができるか、最終的には内定をとることができるかが就活においては最大限の懸案事項だと思いますが、採用する企業の方も同じような境遇に直面しているのです。
昨今の就活の厳しさを伝えるニュースで「100社以上エントリーした」ということを聞くことも最近は珍しくなってきましたが、そうです、就活生にとって複数の会社にエントリーするのがもはや常識となっています。この記事を読んでいる就活生の人もそうでしょう。複数の業界を受けることも多いでしょう。そうなると企業の採用担当は「この就活生に内定を出したとして本当に自社に入社してくれるんだろうか」ということを非常に気にかけます。せっかく高い採用コストをかけて内定を出した学生に蹴られてしまっては人事として面目が立ちませんし、会社にとっても痛手です。
したがって面接官に「この学生は本心から我が社に来たいとは思ってないとな」という印象を与えた場合、面接で落とされる可能性が非常に高いです。これが、自分の原体験を志望動機に絡める必要がある理由です。自分の原体験(強烈な体験)を根拠に志望していると言われれば、面接官も納得せざる得ません。
それに関連して、面接では「他の業界ではダメか?」ということは必ず聞かれるので、それにも答えられるように準備をしておきましょう。

また、この志望動機を述べる時点でも、面接官は就活生の賢さをはかっています。それは、それだけ自分のことを深く考えることができているかであったり、どういうことを言うと受けるかということをわかっているか、といった点です。自分の原体験にからめて論理的に系統立てて喋れる人は知的な印象を与えることができますし、よく自分のことを理解しているなと思われます。

「その中でなぜ自社を志望するのか」

なぜその業界に生きたいかという志望動機が固まれば次はなぜその中でその会社なのかということを考えなければなりません。これは、同業界の他社が嫌な理由を述べる方法、自社の良いところを述べる方法、両方あると思いますが、後者に関してはその企業につとめる「人」を理由にするしかないのかなと個人的には思います。

なぜなら、同じ業界であれば基本的にはビジネスモデルは一緒で、やっていることは基本一緒です。違うのは業界順位や規模くらいです(もちろん、当てはまらない業界もありますが)。そういう状況で、定量的・客観的な差で明確な違いを他社と生み出すのって非常に難しいと思うんですよね。
よく内定者に「なんでこの企業にしたんですか?」と聞くと「最後は人です」という返答が返ってきますよね。それは結局、やはり選ぶなら最後はその会社にいる人の雰囲気や人柄になってしまうのです(給料や福利厚生もあるとは思いますが、それを選考の場で言及するのは不適切でしょう)。企業に実際に入社する前に得られる情報で判断するには、結局そこになってしまいます。

もちろん、業界のときと同様、その会社の人のどういう部分を魅力に感じて、それはなぜかということを自分の原体験から説明できなければなりません。OB訪問が大事と就活では言われていますが、そういう「人」の空気というものを感じれる一番の場だからなんですよね。説明会やセミナーに参加するのも、ただ説明を聞くだけったらパンフレットやネットを調べれば出てくるんですから、その説明会できている社員の「人」の空気を感じて、それをなぜ魅力に(もしくは嫌に)感じるのかということを言語化することを重視すべきです。

結局、志望動機でアピールすべきこと

志望動機で何を面接官に伝えればいいか、というのは3点しかなくて、
「企業のどこに魅力を感じているのか」
「なぜそこに魅力を感じているのか」
「そのような考えを持つにいたった原体験」
この3つを伝えられれば万事OKなわけです。

言い方を変えれば、志望動機というのは、企業と自分がマッチしている、
「企業=自分」
ということとその理由を示せればよいのです。
ですから、自己分析や企業研究をする際にもこの3点が明確になることを目標にしていけばいいわけですね。