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ちきりんの日記は金儲け目的じゃないからこそヒットした

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「Chikirinの日記」の育て方、という本が最近発売されたそうです。2005年から始まった彼女のブログは、今やブログ界での大御所とも言えるブログとして君臨しているわけですが、僕もブロガーの端くれなわけで、そういった彼女のブログの軌跡というものに当然興味を抱かざるえないわけです、笑。
そんなこんなでコロポンさん(id:colopon)のブログで紹介されていたのを発見したのを機に秒速でオーダーして読みました。値段の割にページ数が少なかったのですぐ読めた。

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この本の「イイタイコト」

結局ちきりんさんがこの本を通して伝えたかったことというのはおそらく、「私はブログというメディアの質を高めることを目標としてちきりんの日記を運営してきましたよ、それを毀損する可能性のあることは可能な限り避けてきましたよ」ということなのでは。証券会社、MBA、バリバリの外資系企業とキャリアを歩んできたので、おそらく資産もある程度あるのだろうし人材としての市場価値も高い。稼ごうと思ったら稼げる状態にいるんじゃないかなと思います。
だからとりあえず「お金」っていうことには固執することはなくて、ブログをやるからには純粋のブログの価値を高めたい、そういう思いで続けているんじゃないですかね。ブログの価値というのはここではメディアの価値と置き換えて問題ないと思います。定期的に人が集まる場という意味でのメディア。ちきりんさん曰く「ある一定の特色を持った集団にリーチできることが、雑多な集団にリーチできるものよりもメディアとして価値がある」そうですが、それに倣えば、彼女は自分と親和性が高い、少なくとも自分がリーチしやすい集団に対して気軽にリーチ・アクセスできるようなメディアを作りたいのです。

SNSとかメディアの戦略の王道

これって、よくよく考えるとSNSとかメディアがよく採用する戦略ですよね。スケールさせて十分に広まってからマネタイズして金を稼ぐ。LINEとか、あとAmazonが顕著ですけどね。Amazonとか稼いだ分をほぼ全部将来の投資にまわしていて「Amazon」というインターネットサービスの価値を高めることに注力してる。(現にそうなってる部分はあると思うけど)Amazonがないと世界がどうしても成り立たない!!っていう状態になったら収益化するんだろうなあ。
ちきりんさんが後々収益化に動くかどうかはわかりませんけどね。

例えば彼女ほどのブログならば多くの方が見てくれているので広告の媒体として機能させることが可能です。それによって収益を生むことはできますが、メディアの広がりという点からはマイナスの影響を与えてしまう。だから彼女は「ほんとうに良い」と思ったものしかブログで紹介しないそうです。

なんでちきりんはそんなに「信用」や「メディアの価値」にこだわるのか

やはり何らかの目的があると思ってしまうんですよね。そうやってうるさいくらいに「メディアの価値を高めたい」っていうのは。
もし本当に書くことが好きで、それだけで純粋にやっているのなら、わざわざ書くテーマごとにブログ分けて4つも作ったりしないでしょうし。

というか、すでにその目標は達成されているのかもしれません。現時点で「ちきりん」というブランドは確立されて、そのブランド=信用をもとに今までできなかったことができるようになっている。今まで会いたいけど会えなかった人に会えるようになったり、簡単に(マネタイズしようと思えば)できる状態にあったり。
資本主義を愛していると言いながらなんだか一時期前に流行った評価経済みたいな考え方ですね。




何はともあれ、結局ちきりんさんは、本当に書くことが好きなんでしょう。「好き」でやっている世界なんでしょう。だから、その世界が壊されかねないようなことはたとえそれが収益をもたらす可能性があったとしてもやりたくなかったのです。単純にそう信じても、いいかもしれませんね。