論理と情緒と情熱と。

就活とかキャリアに関すること多め。「考えたこと」特に、キャリアに関するエントリーを中心に掲載してます。

[自己分析のヒント]過去の経験がその人の人格形成に寄与する部分について

スポンサード リンク

就活支援をしている関係上、いろんな就活生と会って、自己分析の手伝いとかをしてその人がどういう人物で過去にどういう経験をしてきたかということを聞くことが多くなりました。就活も今月になって解禁しましたしね。
そうやって話していると、何となく法則というか、つながりがみえてきます。デジャブというか、「あれ、前に話した子も同じようなかんじだったぞ」みたいな。社会科学や人間科学という言葉があるように、社会や人間心理みたいな一見非科学的で法則化できないようなある種つかみづらいようなことも共通項があるみたいです。その人の過去の経験とかと現在の人柄や価値観との関係性というのが見えてきた気がするんですよね。
そうやって共通項を知ってくると、「人間の人格のストック」みたいなものができてきて、だいたい会って五分くらい話すとこの人はこういう人なんだろうなというあたりをつけられるようになりました(もちろん外れることもありますが、精度はあがってきています)。
実際、「人見抜くのうまいねー」って言われることも多くなったし(こういうのわかっていると、自己分析と言うか、自分のことをもっと深く知れるんだろうなあとか思ったり)。

f:id:kyuruppa:20131227140031j:plain
よくカフェで喋ってます。ラクですからね。

人に会う経験値

こういうような人を見抜く能力というのは、自分の経験からも自分の周りの人を見ていても、基本的にはその人の人間的な経験値によるところが大きいと言うのが実感としてあります。

例えば、知り合いの社会人でリテール(個人)相手の商売をしている人がいるのですが、彼は今までおそらく万単位の人と会いそして深く話してきた経験を持っています。お客さんの人生設計に関わることなので、資産とか家庭の状況とか赤裸々なことをしっかり聞いていく中で、身に付いていくものがあるのでしょう。なので少し話しただけで、自分が今まで会ってきた「ヒトサンプル」のデータベースに検索をかけて、目の前の人間と類似する結果をはじき出すことができている(ように端からは見える)。少し話したらだいたいどんな人間かわかると言っていました(そして就活で面接が最初の五分とかで決まると言われているゆえんもここから来ているのでしょう、きっと)。

上にも書いたように、自分の場合も、例えば1、2時間、一対一で就活生とあって自己分析の手伝いをしてあげてます。それは、その人がどんな過去を持っていて、それ故にどういう志向性をもっているのかということを把握することがより適切なアドバイスにつながると信じているからです。両親にどういう風に育てられたか、小学生の頃の自分の地位、ショックッだった出来事などなど。そういった過去の出来事や思いと、今時分の目の前に座っている就活生の表情や話し方、雰囲気、オーラなどを読み取って結びつけて考えていくのです。

では、どんな経験が現在の人格形成に影響を及ぼしているのか

そこで、その人の現在に大きな影響を与えているタイプの経験や要素というものが浮かび上がってきました。そんな中あくまで僕の経験値での話ですが、いくつか汎用性の高そうな事象を挙げてみると下記のようになります。

  1. 親の影響
  2. 小さい頃の経験
  3. ネガティブな経験
  4. 成功体験


以下では、実際に僕が出会った就活生のサンプルに基づいて考えていきたいと思います。

1.まず、親の影響について。

これは言われてみれば納得だと思うのですが、その人の人生において親が及ぼしている影響ってめちゃくちゃ大きいです、実際。現在大学生で家族と一緒に住んでいる人はもとより、一人暮らしをしている人だって、だいたいは18年間くらい?は一緒に親と住んでますからね(あくまで傾向として)。そりゃ大きな影響は絶対受けてますよ。例えば、昔から本をたくさん読むように指導されてきたら、本を読むと言う楽しさ、それは多くの場合、知的好奇心につながるんでしょうけど、それを覚えて、本読むように言われなかった場合より知的なものに興味がわくでしょう。もしかしたらそれが勉強意欲につながって受験勉強を乗り切れたかもしれないし。他にも両親ともに教師の家庭で、母親が熱心な教育ママでかつ父親が厳格で絵に描いたように厳しい日本のお父さんだった場合、ずっと勉強しなさいと言われつづけて精神的に抑圧されているかもしれません。もしかしたらお父さんが全然自分のことを評価してくれないと感じながら育つかもしれません。そうした場合にそういった抑圧のせいで卑屈になって自信が形成されなかったり、自己承認欲求が強い人間になることもあるでしょう。このように、親の影響と言うのは甚大なのです。

2.小さい頃の経験について。

これは両親の影響が大きくなる根拠の一つにもなるのですが、小さいときの経験ほどその人の人格にクリティカルに作用するのではないでしょうか。生まれてから様々な人・事象とふれあいながら育っていく過程で、だんだんと「自分」というものが形成されてくる。最初は丸い粘土のかたまり身だったものがだんだん形作られてくるイメージでしょうか。
f:id:kyuruppa:20131031164844j:plain
時とともに粘土の粘度が高まってきて修正が利きづらくなってくる。そうなると、若い時期に形作られた跡ってなかなか根深いものになるんですよねきっと。

小学生の頃はずっと友達の和の中心にいるような子だった。そしてそういう状態が好きで、自分が一番の人気者になっているのが楽しかった。でもそれが高学年になって家庭の事情で引っ越してしまわなければならなくなってしまったとき、今まで自分を中心に形成していたコミュニティがなくなって、新しい学校で、既に形成されているコミュニティの中に入らなければならなくなった。そこでは自分は部外者。今まで中心にいたのに急に周縁でひっそりとしている人物になってしまった。孤独感。疎外感。
そういう場では自分の知らない暗黙のルールが既に出来上がっていて、それを犯してしまうと急に自分は冷たい扱いを受けてしまう。そこから徐々に人の顔を伺うようになって、そのルールを犯していないか気にかけるようになった。
それがいつしか、自分が他人の評価を一番に気にしてしまう性分の原因となってしまっていた。

例えばこのようなケース。自分に自信がある人、周りを気にしすぎる人などいろいろいると思いますが、上記のようなことが小学生のときに起きると、次に何かポジティブな転機が訪れない限りはそれを引きずってしまいがちですよね。しかもその経験は自分史という事実の中からは消えない。つまり、若いうちに経験したものであればこそ、それだけ長い間その経験とつき合わなければなりません。若いときの経験ほどその人のコアに影響するのは、これが理由なんでしょう。

3.ネガティブな経験について。

これは非常に大きいです。つらかったこと、挫折、失敗。就活でも挫折や失敗を聞くのは面接の定番。これがその人の価値観や人間性に影響を与えるのは、ネガティブな経験が自らの前に矛盾とう名のギャップを生み出すからです。
このネガティブな経験が生じる前というのは、プラスないしゼロの状態にいるわけです。そこでこのたぐいの事象が起きると、マイナスの状態に位置させられるわけですから、直前までの自分の状態、ないし自分の理想像とマイナスの現在地にギャップが生じるわけです。でもそれは本来は望まないギャップであり、自分に取っては矛盾にしか映らない。この矛盾こそが大きなエネルギーを生むのです。強引に引き裂かれて生じたギャップには引き裂くだけのエネルギーがあり、またそれを修復しようとすると相応のエネルギーが必要になるのです。

例えば高校の話。
もともと小学校のときは頭も良く、スポーツもできて皆の中心にいたよう、理想のような小学校生活を送っていたが、進学した中学がめちゃくちゃ荒れていて、自分もその文化にのまれてしまった。そして斜めに構えて適当な生活を送り、家庭の事情もあって家に近いというだけで低学力の高校を選んだ。そして高校に進学してみて唖然。低レベルな高校が自分の描いていたものの想像を超えていて、そこでの生活は言葉に表せないほどひどく、自分の選択の過ちに吐き気がしたと言う。そこからその経験をバネに国立大学に合格し、現在も就活に力を入れている。内定はまだだが、インターンではその学歴を考慮したらかなりの実績を残せている。

このように、ネガティブな経験は大きなモチベーションを生み出す装置になっているのです。

※僕が好きな吉井和哉の自伝。これを読むと、結局は彼もネガティブなモチベーションに突き動かされていたんだなってことがわかります。

失われた愛を求めて―吉井和哉自伝

失われた愛を求めて―吉井和哉自伝

4.成功体験

成功体験はその人の中に自信を打ち立てたりアイデンティティを創り出します。ポジティブな明朗な人格を形成する上では絶対に必要なものです。
それは小さなものでも良いでしょう。サークルで仲違いが会ったときに友人1人だけは自分のずっと味方だったとか、 TOEICで900点超えたとか、浪人の末第一志望の合格を手に入れたとか。
なんでもいいと思います。
なにかそういう自分に自信が持てるもの、それが積み重なっていて自己をきちんと評価できていくようになるんでしょうね。
その成功体験の性質っていうのも大事で、例えばリーダー経験で成功してきた人は人の上に断ちたがるし、何しろ「人」そのものに対する自信がすごい。一方、学術的な部分で成果を出してきた人は自分の頭や知的なセンスに自信を持っているし、知的なものに興味を持っています。当然ですかね。
ただ、経験上、他人との関わりの中での成功を経験した人の方が人間的な成熟度合いが高いとは思います。「人間」と対峙する経験の方が「人間」的に成長させてくれるんでしょうね。



以上が、現在の人格形成を考える上で重要だと思われるタイプの経験です。
あえてこの四つのタイプを抽象化して経験を整理する軸を設定するならば、「年齢」「エネルギーの大きさ」の2軸になるでしょう。若ければ若いときの経験の方がそのインパクトが大きく、その経験自体が持っているエネルギー自体が大きいものであればもちろん人格形成に与える影響も大きい。

こうやって自分が今どんな人間でそれが過去のどういう経験から生まれているかということを知っておくことは就活でももちろん役に立ちますし、それを超えて自分の人生をより豊かにすることができるはずです。
自分がどういう人間かわかっていれば、つらいことや困難に打ち当たってもどう対処したら良いかとか自然に見えてきますし、どういう風に生きていったらいいかということが見えてくるはずなので。

伝え方が9割

伝え方が9割