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わかりやすく話すために注意すべき5つのこと

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先日、某戦略コンサル内定者の方と話していたとき、「○○ってすごいロジカルだよねー。今日ずっと話聞いてて思ったんだけどさ」というようなことを言われました。どういう部分にそう感じたかを尋ねてみると、「いやー話がすげーまとまってて整理されてるしわかりやすい。論理的にしっかりしているから話を追いやすいし、しかもそこからほとんどぶれないのがすごい」とのことでした。

個人的には以前からそう言われていたこともあり論理という面で一応の自負はあったものの、自分が意識的に磨いてきたものでもありましたし、そうやって直に他人から褒められると嬉しいですし、それがしかも論理の塊みたいな世界最強のコンサルファーム内定者からとなるとひとしおでした(笑)

 

ということで今回は、そんな僕が普段話すときに気をつけていることを(恐れ多くもありますが)シェアしようと思います。この記事がちょっとでも役に立ったなら幸いです。

 

 

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1.結論先述か結論後述か、話の全体の流れをイメージする

物事の話し方には結論を先に言う結論先述とあとに言う結論後述があります。一般的に英語は前者、日本語は後者の形を取ることが多いと言われます。よく話し方やロジック本には結論戦術がいいと書かれていて後述は悪魔のごとく扱われているようなものもありますが、個人的にはケースバイケースだと思っています(が実際のところ先述が有用な場合が多いかと思います)。

 

結論先述はまず最初に結論を述べ、そのあとに結論の理由や、そう至った背景、具体例などをもってきます。例えば、「あなたはTPPに日本が参加することについてどう思いますか?」という質問に対して、まず「賛成です」と答え、それから「日本のGDPに占める輸出産業の割合は大きく、自由貿易が活性化することが日本のGDPに大きく貢献するからです」と理由を述べるものです。

この方法はコミュニケーション効率が高い(時間的なロスが少ない)ので当事者間で馴染みのある話題を話す場合だったり、素早い決断が求められるビジネスの場ではこちらのほうが有用でしょう。

 

対して結論後述は、まず理由や背景、具体例を述べてから結論を述べる方法です。こちらは講演会やセミナーなどで、聞き手にとってあまり馴染みがなかったり話が難しい場合に有用です。まず背景やポイントを抑えることで、だんだんと話の核心に近づいていくことができるからです。

 

どちらにせよ、自分がどちらのスキームで話しているのか、もしくは話そうとしているのか認識していることが大事です。最初は後述で話そうとしたけどやっぱ先述...というと論理がごちゃごちゃになってしましますし、聞いている方が混乱するばかりか話している自分もどツボにはまってしまうので、先述だったら「結論→理由、背景、具体例」後述だったら「理由、背景、具体例→結論」の流れを崩さないように意識しましょう。

ですが、基本的には僕自身も効率的コミュニケーションができるので結論先述を意識することが多いです。

 

2.抽象⇒具体例の順序を意識する

 抽象的な事柄、たとえば物事の法則や一般的な真理、理論、理想論など、これらを話してから具体例を話すようにしています(これは結論先述の一部でもあるんですけどね)。具体例というのは抽象的な内容を補足する役割を果たすものであり、本当に伝えたいのは抽象的な内容の方です。なので、まず抽象のことを話すことで方向性を示して「あ、この視点から考えればいいんだな」と思ってもらいその視点から具体例を聞いてもらうことでより理解が深まるのです。

難しい概念とかの場合は抽象⇒具体例⇒抽象(再度)と伝えたい内容である抽象的な事柄をもう一回伝えることで相手の理解を促すことが多いです。

 

3.話している個々の事象やコンテンツのレベル感を考える

これは結構大事。そして難しい。たとえば「好きな食べ物なに?」と聞かれて「 うーん、ラーメンとカレー!」と答えるなら納得できますが、「麻婆豆腐と和食!」と答えられると「あれ?」となってしまうはずです。もしくは「桃と野菜!」って答えられても違和感があります。これは麻婆豆腐と和食、または桃と野菜のレベル感が異なるから変な印象を与えるのです。

料理というカテゴリーの中に洋食や和食、中華料理が含まれ、中華料理というカテゴリーの中に麻婆豆腐があります。同じカテゴリーの中のものしか比べられないのに、比べてしまうから違和感が生じるわけで、このカテゴリーのレベル感を意識するのが大事だという話です。

リストで示すと、

  • 食べ物
    • 料理
      • 和食
        • 味噌汁
        • うどん
        • ...
      • 洋食
        • ハンバーグ
        • カレー
        • ...
      • 中華
        • 麻婆豆腐
        • チャーハン
        • ...
      • ...
    • 材料
      • 野菜
      • 果物
      • 調味料
      • ...

こんな感じでしょうか。食べ物の話ですと簡単ですが、こと議論になると気を付けないとごちゃまぜにしてしまいます。例えば何かセミナーをやるとして集客戦略を考えようとなった時に、集客方法を考え、ビラ配りかネット広告を打つか、SNSを用いてシェアしてもらうかということを考えているのに、どのSNSにするかというのはもう一段階レベルがしたの話であるということを意識するのです。

 

4.メインとなる論理の軸を意識する

 要は話をぶれさせないということです。例えばTPPに賛成だという話をするときに、「GDPが向上するので、TPPには参加すべきだ」というメッセージを伝える場合を考えます。

「GDPの大半を占めるのは自動車や機械などの輸出産業である。農業が打撃を受けるなどと言って反対している人がいるが、日本のGDPに占める農業の割合は高々数パーセントであり、それらのためだけに保護するのは間違っている。だいたい、農産物を輸入に頼ることの何が問題なのか。リスクが高いというが輸入国を分散させればリスクはヘッジできるし、そもそも高いコストをかけて日本で作るより外国で安く作って輸入した方が社会厚生は最大化する。その方が比較優位..」

これが議論が本筋からそれたパターンです。「GDPが向上する(原因)→TPPに賛成する(結果)」から逸れてしまい、GDP向上の根拠となる自由貿易についての説明が始まってしまっています。

 

5.話しすぎないこと

一回の話の中で、聞き手が受け取れる情報には限度があります。だらだらと話しすぎずに、簡潔に話し、相手の質問を誘導するようにします。

一回のターンというか、しゃべりだしてから終わるまでの長さは聞き手にとっても集中力の限界もあります。短い情報で区切って相手の質問を誘発することで、聞き手も集中力を保つことができ、また理解を確かめながら会話をすることができます。

 

 

 以上が自分が普段話している時に、意識的・無意識的に気をつけていることです。僕自身もそうでしたが、こういった話し方は多くのスキルと同様、一朝一夕に身につけられるものではありません。以上のような事柄を意識して話すということを繰り返してだんだんとスムーズにできるものです。

自分もまだまだつっかえることがあってなかなか難しいですし、これからも意識して行きたいと思います。