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金融政策とは何か。伝統的な三つの手法。

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僕自身が経済学部ということもあり、最近のホットなトピックスであるということもあり、金融政策について興味を持ち始めています。そこで、かつて勉強したはず(?)のマクロ経済学を、自分の学習の意味を込めて、まとめていくような記事をこれから何回か書いていきたいと思っています。

 

 

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さて今回は、そもそも金融政策ってなんなのか、ということについて書いてみたいと思います。金融政策とは、中央銀行(日本で言えば日本銀行)が行う経済政策(経済に対して影響を与える政策)のことの総称です。対して、政府が行う経済政策を財政政策といいます。

 

では、具体的に金融政策にはどのようなものがあるのかというと、伝統的な手法として、公開市場操作、公定歩合政策、預金準備率の操作、の三つがあります。一つ一つ見ていきましょう。

 

1.公開市場操作

これは現在の中央銀行の金融政策においては最も重要な位置を占めているものです。中央銀行が金融機関(銀行や機関投資家)と債権を売買することによって利子率や市中に供給される貨幣供給量(市場にある貨幣=お金の量)を調整する政策です。

これには大きく買いオペと売りオペがあります。

買いオペとは、中央銀行が金融機関から債権を「買う」政策です。これにより、市中に出回る貨幣供給量が増加し、利子率が低下し、景気を刺激する金融緩和効果があります。

利子率が低下する理由は、貨幣市場において貨幣が超過供給になるからです。貨幣市場においては、その市場に存在する貨幣の量=貨幣供給量と、人や企業が貨幣を欲しいと思う量=貨幣需要量があります。そしてこの貨幣需要量は利子率の影響を受けます。なぜなら、利子率は貨幣を保有するコストに相当するので、利子率が低い方が、もっと貨幣を保有しようという心理が働きます。さて、買いオペによって貨幣が超過供給になると、供給量より需要量が下回ってしまうため、貨幣市場に貨幣が余ってしまいます。その余りをなくすために利子率が下がるのです。

利子率が低下すると、利子率は企業が銀行から融資を受けるときのコストに相当するので、企業が銀行から融資を受けやすくなり、その結果企業が資金を手にして設備投資が促進され、景気が良くなるという理屈です。

売りオペの場合はこれと逆です。すなわち、中央銀行が金融機関に債権を売り、貨幣供給量を減らします。その結果、利子率が上昇させ、景気の行き過ぎや物価の上昇を抑えます。これが金融引き締めと呼ばれるものです。

 

2.公定歩合政策

まず、公定歩合とは中央銀行が金融機関に対し貸付を行う際の金利のことを指します。公定歩合政策とは、中央銀行が公定歩合を変化させることによって、金融機関向けの貸出金を増減させ、結果的に貨幣供給量を増減させる伝統的な金融政策です。中央銀行が公定歩合を引き下げれば、金融機関はより多くの資金を借りることができるようになり、貨幣供給量が増加する。同様に、公定歩合が引下げられた場合は貨幣供給量は減少します。90年代以降、金融が自由化されるに従い、公定歩合操作よりも公開市場操作が金融政策の主流となりました。

 

3.預金準備率の操作

法定準備率を操作することによって、貨幣供給量を増減させる政策です。法定準備率とは、金融機関が預金者などから受け入れた預金に対して、そのうちの一定割合を中央銀行に預けなければならないことになっており、その比率のことを指します。この中央銀行に預けなければならない預金のことを準備預金と言いますが、伝統的にはこの準備預金には利子がつきませんでした。したがって、金融機関にとっては、ほかの利子がつく方法でその資金を運用したほうがお得なため、できるだけ準備預金で運用したくありません。したがって、各銀行の準備預金率は法定準備率にほぼ等しいもので、したがって中央銀行は法定準備率を操作することによって間接的に準備預金率を操作することが可能だったのです。

しかし今日では、シュシュの事情から法定準備率と準備預金率に乖離が生じるようになり、金融政策としてはあまり用いられなくなってきています。

 

 

今回は以上です。

 

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