ボストン・コンサルティング・グループ スプリングジョブ選考に参加して その3(ジョブ)
前回はジョブ前の個別面接について書いたので、今回はジョブ自体のことや所管などを。秘密保守義務にサインしたので、そこに引っかからない程度に書きたいと思います。結果的には内定をいただくことができませんでしたが、非常に得るものが多いジョブでした。
ジョブの時にいただいた書籍とペン
まず日程や概要について。私たちの場合は三日間。交通費全額支給、給与5万円。ワークに関わる費用は基本的に全て負担していただけます(交通費や書籍代など)。一日目の午前中に会社説明会、午後からワークが始まりました。一人一台のパソコンが与えられ、各種データベースが利用可能。情報の持ち出しは厳禁かつ不可能です。ワーク内容自体は巷のコンサルやIBDのインターンとさして変わらないと思われます。また、この午後の時間に人事面談があります。一応選考には関係ないと前置きされますが。
二日目はワークをやりつつ、偉い人のお話聞いたり、社員の方とランチしたり。
三日目の夕方までワークをやり、その後発表、懇親会となります。前日は徹夜必至でしょう。ちなみにこのプレゼン中に何人かは人事に呼ばれて面談があります。これを経なくても内定がでる可能性はあると人事の方はおっしゃっていたのですが、学生のあいだではもっぱらここが事実上の最終面接だという噂も根強いです。果たして。
基本的にジョブ中は全てが選考だと思ったほうがいいです。一挙手一投足がすべて評価されていると考えるべき。それを踏まえて、あくまで私の推測ですが、選考で重要だと思われるポイントは三点あると考えられます。
まず一点目はワーク中の社員の方々との議論。徹底的にロジカルに責められますが、そこでひるまず、かといって強情にならず、建設的に議論を展開できるが見られています。
二点目は社員の方がとのランチです。ジョブ中のものも含め最後の懇親会も評価対象になっていると考えられます。社会人として適切なコミュニケーションがとれるか、お客の前に出せるかといったことなどを見ているのでしょう。
最後にプレゼンテーション。論理的に説明できるということ、効果的な表現や、魅力的なプレゼンができるか、などが重要です。加えて質問の受け答えが的確にできるかも評価されているでしょう。
最後に、個人的な所感を。
今回のジョブは自分にとって「楽しい」と思えるものでした。参加者のレベルも高く議論がサクサク進みます。自分のロジックをわざわざ一から丁寧に説明しなくても、大体の説明でわかってくれる。ロジックというツールが共有されているとここまで効率的に深い議論ができるものかと感動すら覚えたものです。そう言う意味において、優秀な人たちとエキサイティングな議論をする機会というものを今まで経験したことがなかったので、こういう環境の中で仕事ができるなら、自分自身の知的欲求を満たせるだろうと非常にワクワクしました。
一方で「悔しさ」も感じました。個々は非常に優秀なメンバーが集まったのですが、それは全体で最大のパフォーマンスを発揮する必要条件にしかなりえません。チームビルディングやワークの進め方という意味で、ワークにおけるテクニックに習熟しておけばもうちょっと結果が違ったのかなあと思います(先行の評価としてはあくまで個々人を評価していると思われますが)。今までよりスムーズに回ったワークだったといっても、議論のすり合わせは大変だったし、全員が議論の全体像をつかみつつワークができていたわけでもない。加えて、そしてこれが一番痛かったのですが、議論が進むにつれて、だんだんとみんなが視野狭窄に陥ってしまい、自分たちが議論の中でどのポジションの論点を話し合っているのかや、全体のストーリーとして整合性が取れているかの視点が欠けつつあったのは反省点です。
加えて私自身は、このBCGという環境を好きになることができました(できました、っておかしな表現だけど)。社員の方々が総じて優秀で、ロジカルなことはもちろん、本質的な論点をぱっと見ぬきそれをわかりやすく素早くアウトプットされていることに、自分が憧れるような知性的な優秀さを感じました。BCGという環境よりも、そこで働いている「人」に惹きつけられた、というほうが適切でしょうか。
また、マックとの比較においてよく言われるのが、マッキンゼーは良くも悪くも顧客の言う事を聞かない、BCGは良くも悪くも顧客の言うことを聞く、ということですが、なんとなくその片鱗がわかった気がします。というのも、BCGのコンサルタントの方々は、いい意味で「普通の」人たちでした。私の見聞の範囲では、コンサルタントは変わった方が多かったのですが、それと比べてもとても話しやすい方々が多く、確かに顧客に寄り添える人柄なんだな、と妙に納得した覚えがあります。
私自身はジョブ中に素の自分をさらけ出せたと思っています。そのような状態で、このジョブを楽しめたということは、自分の中で大きな自信になりましたし、やっぱり自分はキャリアの中のどこかでは戦略コンサルタントという職業を経験してみたいという思いを強くしたのでした。
BCGのジョブに関する記事は以上です。
参考