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企業が帝国化する未来で、どう生き延びていくか

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ちきりんさんのブログに紹介されていたので、触発されて購入した本。

企業は国家を超えた仕組みとなる。あたしもマジで、そー思う。

 

この本を読んで、これから社会に出ていく大学生、という立場から思ったことを。

 

 

 

自分は、キャリアの最終的なゴールとして「仕組みを作る」人間になりたいんだろうなあということを感じさせられました。

本書においては、現代は既に職業の階層化と呼べるような時代が進行しており、今後それは固定化していくということが述べられています。この階層化とは、乱暴に二つに分ければ、「仕組みを作る人」「仕組みを動かす人」の二つに分かれます(この二つの間にはグラデーションで、またいくつかの階層があるのですが)。「仕組みを作る人」は、創造性を発揮できるようなやりがいのある仕事をこなし、給料も高い。逆に「仕組みを動かす人」の仕事は、可能な限り単純労働に落とし込まれ、つまらないものであり、低賃金労働である。

「帝国」とよばれるような世界的大企業(アップルやグーグル、穀物メジャーなど)はこのような仕組みを内包しており、かつ、今後は少数の「帝国」が支配する世界が来る。「仕組みを作る人間」は教育レベルや能力が高く市場価値が高い人材で少数なのに対し、「仕組みを動かす人」は程度の差はあれ、交換可能なコモディティ人材となり、世界中にあふれることになります。

ユニクロの社員の勤務実態の酷さ、名ばかり店長の苦痛というのはずいぶん前から話題になっていますが、これも典型的な「帝国」型企業のやり方を踏襲していて、キャリアが分断されてしまっています。本社では少人数の外資コンサルや外資IB出身のエリートが全体の戦略を構築し、創造性を発揮しているのに対し、末端の社員は巷で言われているような現状なのです。彼らは交換可能な人材であるばかりに、きつい労働条件のもとに薄給で雇われているのです。

 このような話を聞いてしまうと、やはり自分自身は、交換可能な労働力とはなりたくないと思いますし、できるなら少数の「仕組みを作る」人材になるパスに挑戦してみたいと思うのです。

 

本書においては、そんな帝国が幅を利かす世界において、どのように一個人として振舞っていけばかについて示唆を与えてくれています。その中で、自分が気になったものをいくつか。

 

・自らのキャリアパスやビジョンを持つということ

自分がどのような人生を歩んでいきたいか、どういう幸せをもとめていて、どういう人と一緒にすごしたくて、どのような仕事をしていきたいのか、そういうことに関してだれかの真似をするのではなく自分のポリシーを持たなければならないということです。これは筆者が元アップルシニアマネージャーで、アメリカという世界で長いあいだ暮らしてきたことを割引いて考えなければならない側面があるでしょう。というのも、アメリカでは新卒一括採用制度など存在しておらず、転職してキャリアをステップアップしていくというのが一般的です。なので、会社を変えるという選択肢がごく一般的であり、今後はそのような転職をより戦略的に行っていかなければならないということを言いたいのでしょう。ただ、これが日本に全く当てはまらないかというと、おそらくこれからの日本も労働力の流動化が進み(少なくとも今の自民党政権はそうしようとしている)、グローバル競争の高まりによって大企業の倒産リスクも高まるはずです。そうなれば日本の労働市場もアメリカに近似する可能性があるわけで、なかなか厳しくなってくるんじゃないでしょうか。

 

・創造性を養う

筆者はその方法として、古典に触れる、多面的な体験を積み重ね深く考えること、そして実際に想像する経験を積み重ねること、を挙げています。僕自身は、創造する=新しい視点を発見したり、新しい組み合わせ方をすること、だと思っています。そのような意味で、前者二つは、どのようなものがこの世に存在しているかを把握し、後者一つはそれを把握した上で組み合わせる訓練をする、ということなのだと思います。これを読んで自分もこの1年で古典を読みあさろうと思ったり。おそらく、ただ読むだけではなくそれを自分の中でどう咀嚼するか、 それがなぜ自分にとって意味があるのか、をよく考える必要はあるのかなあと思いますが。

 

 

こちらはキンドル版。自分もキンドルで購入してiPhoneでその日に読み終わりました。いやー便利な世の中になったもんだ。

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