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アカデミア、コンサルの次は。-優秀な人はどこに行くのか-

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ツイッターで見つけた記事。

戦略コンサルの人材獲得競争にアカデミアはもはや対抗できない。

 

記事著者によれば、「ポテンシャルのある若者を厳しい選別試験で採用し、さまざまな知識を学ばせながら育成し、その人材が将来的には自らの組織、ひいては社会全体に貢献する」機能を、かつてはアカデミア=大学が担っていたが、現在では戦略コンサルが果たしているという。そしていまのアカデミアではその役割を取り戻すことはもはや不可能だとも言う。

 

パッと見ふむふむ、って思ったんだけど、よく考えたらなんか違うんじゃないかっていう違和感を感じた。僕が感じた違和感は2つ。

 

 

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1つ目は、戦略コンサルティングファームは新卒に依拠しているという仮説。これはね、違うよ。日本でもいわゆる外資系の戦コンは半分が中途だし、新卒採用にこだわっているわけじゃない。むしろ説明会で「戦略コンサルティングファームは中途の方が多いと思われているかもしれませんが、新卒の方も意外と多いのですよ」と言われる始末。経営コンサルには経営コンサルなりのノウハウとかあるんだろうけど、やはり実務経験はプラスになる。現に、新卒内定者の人でも長期インターン経験者が多いって言うし。

けれど新卒者に話を限定すれば、そういう見方もできるかなとは思う。外資金融IBDも含まれるような気もしますけどね。実際独立している人多いし、これはほかの所謂「有名企業」と比較したら抜きん出ている比率だし。

 

2つ目は、その育成される側の新卒者の側の視点がみえずらいこと。僕自身は、いわゆる「エリート」を念頭においていたのかなと思いました。「ポテンシャルがあ」るようなエリート学生に憧れられてきた職業、という観点で考えると、アカデミアというよりもむしろ官僚の方が実態に近いんじゃないかなという気がします。乱暴に言ってしまえば、パブリックかプライベートかの違いで、官僚と戦略コンサルって実は仕事内容が結構似通っているんじゃないか。最近の公務員の風当たりの悪さのせいなのか、それとも日本の政治の体たらくのせいなのか、待遇の悪さのせいなのか、東大でも最優秀層は官僚にはならないって聞きますがどうなんすかね。

 

著者の仮説が正しいとして、今がその過渡期という考え方もできますが、大学はビジネスとは疎遠な環境で学際的な知を探求する場であるべきだと思うので、それはないのかなあ。モニターも倒産しちゃったし、戦略コンサルの方が黄昏なのかもしれないです。そう言う意味で、っていうわけじゃないですけど、これからは官僚への揺り戻しが来て、また官僚人気が高まるんじゃないかと予想。それには政治の安定が必要不可欠なので、阿部さんには頑張ってもらいたいところですが。

 

そう考えると、著者の仮説は、大学というより、官僚養成校として建てられた東大文Ⅰに置き換えると筋がすっきりします。「社会全体に貢献する」色合いがすごく強くなりますが。

 

個人的には最優秀層の人はやっぱり国を動かす位置にいてほしいので、官僚の待遇はもうちょっと改善してあげて、集まるようにして欲しいですね。今の日本が抱える山積みの問題を解決するには、ね。

 

いつもどおりまとまりがない文章になってしまいましたがこのへんで。

 

 

※追記1

いろいろ書きましたが、大筋で的を得ている気がしてきました。ただ、アカデミアの求心力が低下した受け皿となったのが、戦略コンサルティングファームだけじゃなくて、IBDとか、IT企業とか、企業の研究職とか、官僚に分散して行ったんじゃないかなあと。そう考えると前三つの業界で特に、志望理由として「成長」をあげる学生が多い理由もなんとなく納得。

 

※追記2

アカデミアが養成機能を果たせていた時代って、研究した内容が割と産業の発展に結びつきやすい時代だったんじゃないでしょうか。日本の第二次産業が盛んだった時代とか。日本の自動車産業や機械メーカーが世界を席巻していた時代。今はサービス産業が中心になっていく中で、その産業を発展させる知の拠点に、アカデミアがなれていないということなのでしょう。