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アイセックのインターンでルーマニアに派遣されてそうそうに殺害された女子大生の件。問題はどこにあったのか。その1

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海外インターンシップ運営をしている学生団体、アイセックを利用してルーマニアにインターンに行った女子学生が強姦され殺害された事件。

 

危険すぎた「女子大生ルーマニア一人旅」 アイセックに「説明不十分」と ...‎J-CASTニュース

 
今回の件で問題なのは、「女性一人の状態で、夜中に交通機関で移動せざる得ない状況が生まれたことと、女子学生が安易に男の誘いにのって車に乗り込んでしまったこと」の2点に集約されます。
今回のエントリーでは、女子学生側・アイセック側の両方の観点から考察してみたいと思います。
 
まず1点目。なぜ深夜に移動せざる得ない状況になってしまったのか。これはアイセック側の不備が大きいのではないでしょうか。
自称元アイセックメンバーによると、「交通手段や宿泊先などの手配は本人とアイセック現地支部が行うもので、日本のアイセックは助言する程度」らしい。
今回もこのケースだったとしたら、被害者の女子大生が、基本的には現地アイセックと彼女でスケジューリングしたことになります。
 
もちろんルーマニアと日本であるから遠隔地のコミュニケーションである。そこで意思伝達に齟齬が働き、それを日本のアイセックがうまく解消できなかったのではないかと推測できるのでは。
 
こちらのサイトにもあるように、ルーマニアは日本と比べて安全なわけではないです。治安というリスクを考慮したら、旅行日程を組む際の、最低限のセーフティのレベルというものは想定されるはずです。深夜移動は明らかにそのレベルを超えていたということです。
 
本来ならばチェック機関として、日本のアイセックメンバーが働かなければいけないはずですが、今回はおそらく、現地のアイセックメンバーも前例がないことから気が緩み、日本のメンバーも楽観的展望をもち、日程にストッパーがかかることなく送り出されてしまったということでしょう。
 
治安は人命にかかわることなのですから、いくら「助言程度」といってもその抑制機能を働かせられなかったのは、アイセックの組織的・構造的欠陥だったといえるでしょう。
 
この点においては、被害者の責任はあまり問われないと考えます(ゼロではないですが)。
「学生」を海外に送り出している以上、渡航者が海外渡航に関する知識に不足していることは容易に想像てきます。ですので、アイセックのサービスはそのことを前提として設計されなければならないはずですし、いくらメンバーが学生でかつ仲介料が安いといっても、それは最低限のサービスだと思うのです。
 
海外渡航に慣れていないと、どうしても日本の常識を基準に物事を考えてしまいます。
日本は世界的に治安が良く、深夜に女性が独り歩きしてもあまり危険にさらされない国です。
渡航者がそういったジャパンスタンダードで考えがちである、ということを前提としなければならないと思うのです。
 
長くなってしまったので、「女子学生が安易に男の誘いにのって車に乗り込んでしまったこと」については次のエントリーで。